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太陽光パネルの火災リスクは?出火場所の内訳と、屋根へ燃え広がるかを分ける「設置形態」【現役プロ解説】

ソーラーパネルを載せた住宅の外壁にパワーコンディショナが付き、手前でチェックリストと発電量のグラフが映ったタブレットを持って確認する女性。机の上に虫眼鏡と、パネルの下に層が重なる断面図のカード。太陽光の火災リスクを出火場所と設置形態から確認するイメージ

※本記事はプロモーション(アフィリエイト広告)を含みます。掲載リンクから見積もりサービスに申し込むと、当サイトに紹介報酬が発生します。本文では特定の販売会社・施工店・製造業者を順位づけせず、報酬が発生しない確認先(設置した販売店・住宅会社、製造業者の窓口、公的機関の公表資料)も併記しています。
最終更新:2026年10月2日|執筆:太陽光の本音 編集部|監修:現役の太陽光発電コーディネーター(記事末プロフィール)

🔍 この記事の結論(先にお伝えします)

  • 太陽光の火災は実際に起きています。NITEが受け付けた事故は10年で260件(うち火災239件)、出火元で最も多いのはパワコン(170件)です。
  • 屋根の下地まで燃え広がった7件は、すべて「鋼板等なし型」という設置形態でした(消費者安全調査委員会)。
  • パネルの下に鋼板があるかは外から見分けられません。型番と書類で、販売店かメーカーに確認してください。
  • 日常の確認は発電量の前年比較とパワコン周りの点検。火が出たら119番と避難、屋根には上がりません。

「太陽光パネルから火事になることはあるのか」「うちの屋根の太陽光は大丈夫なのか」——ニュースで太陽光の火災を見て、不安になった方もいると思います。

火災の話は、「起きるか・起きないか」の二択で考えると判断を誤ります。公的機関の調査を読むと、太陽光の火災には「どこから火が出たか」と「屋根まで燃え広がったか」という2つの段階があり、それぞれ原因も対策も違います。そして、所有者が確認できることと、販売店や製造業者に任せるべきことも分かれています。

この記事では、NITE の事故情報(2015〜2024年度)、消費者安全調査委員会の事故等原因調査報告書(2019年)、経済産業省が公表したリスクアセスメント、消防庁の資料をもとに、火災がどこから起きているのか、屋根への延焼を分けるものは何か、所有者が何を確認すればよいのかを整理します。

目次

太陽光の火災は、どこから出火している?

まず件数です。NITE 製品安全センターが受け付けた製品事故情報では、2015年度から2024年度までの10年間に、太陽電池発電設備の事故が260件ありました。そのうち239件が火災です。

事故が発生した設備件数(2015〜2024年度)260件に占める割合
パワーコンディショナ(パワコン)170件約65%(NITE 表記「約7割」)
太陽電池モジュール(太陽光パネル)41件約16%(同「2割弱」)
接続ケーブル18件約7%
蓄電池14件約5%
その他の設備17件約7%
合計260件(うち火災239件)—

(出典:NITE「住宅用の太陽電池発電設備の事故に注意」2025年8月29日。割合は編集部が件数から計算)

年度事故件数うち火災
2015年度1916
2016年度1510
2017年度2621
2018年度2222
2019年度1715
2020年度2424
2021年度1716
2022年度2828
2023年度3534
2024年度5753

(出典:同資料の図4「過去10年の事故件数の推移」を編集部が読み取り)

NITE はこの推移を「近年は事故件数が上昇傾向」と説明しています。ただし、設置されている設備の総数や使用年数も年々変わるため、件数の増加だけで「1軒あたりの火災の起きやすさが上がった」とは判断できません。ここで読み取れるのは、「火災は実際に起きており、件数が最も多い設備はパワコンである」という2点です。

NITE は、原因の例として次のものを挙げています。

  • パワコン:施工不良によるものを除くと、設置環境(温度・湿度・水分・ほこり)などによって電気回路基板にトラッキング現象(付着したほこりや水分が電気の通り道になって異常発熱する現象)が起き、発煙したもの
  • 太陽光パネル:飛来物などでパネルが破損して通電異常から発熱し、パネル裏の端子ボックスから配線・接続箱へと影響が広がって発火・延焼したもの

つまり、「パネルが燃える」だけが太陽光の火災ではありません。壁に付いているパワコンや接続箱、屋根の上を通るケーブルも、点検の対象です。

屋根へ燃え広がるかは、何で分かれる?

次は、屋根への延焼です。ここで参照するのは、消費者庁の消費者安全調査委員会がまとめた事故等原因調査報告書「住宅用太陽光発電システムから発生した火災事故等」(2019年1月28日)です。

調査委員会は、事故情報データバンクに登録された住宅用太陽光の火災事故等127件(2008年3月〜2017年11月)のうち、原因調査中・原因不明などを除いた72件を調査対象にしました。内訳は、パワコン・接続箱から発生したものが59件、パネル・ケーブルから発生したものが13件です。件数の少ない後者を重点的に調べた理由について、報告書は「モジュールと屋根材とが近接していることから住宅の火災、ひいては生命身体被害に至る可能性があるため」としています。

パネルの設置形態は4つに分類されている

報告書は、屋根へのパネルの設置形態を次の4つに分けています。

設置形態どういう構造か累積設置棟数に占める割合調査対象での野地板への延焼
屋根置き型瓦・スレート・金属屋根などの屋根材の上に架台を付けてパネルを載せる鋼板等敷設型と合わせて約94.8%なし
鋼板等敷設型屋根材にパネルが組み込まれている/屋根全面にパネルを設置するもので、パネル直下の防水シート(ルーフィング)の表面に鋼板等の不燃材料を敷く(同上)なし
鋼板等付帯型裏面に鋼板等の不燃材料が付いたパネルを防水シートの上に直接設置する約0.7%なし(ただしケーブルの発火から延焼する可能性は指摘されている)
鋼板等なし型裏面に鋼板がないパネルを防水シートの上に直接設置する約4.5%(約10万7,000棟)7件すべてがこの型

(出典:消費者安全調査委員会 事故等原因調査報告書・概要、2019年1月28日。割合は経済産業省からのヒアリング結果で2018年10月時点、累積設置棟数 約2,374,700棟)

野地板まで燃え広がった7件がすべて鋼板等なし型だった理由について、報告書は、パネルが防水シートとわずかな空間を介して近接する構造であることと、ケーブルが防水シートの表面に敷かれる施工方法であることを挙げています。屋根置き型・鋼板等敷設型・鋼板等付帯型で野地板への延焼が起きなかったのは、パネルの直下にある瓦・スレート・金属板などが延焼を防いでいたためと考えられる、としています。

「屋根置き型なら屋根まで燃えない」とは言い切れません
上の「延焼なし」は、調査委員会の調査対象(13件)の範囲での結果です。NITE の2025年の資料には、2022年4月に、パネルの架台のレールにケーブルが挟み込まれて損傷し、異常発熱して出火し、屋根の防水シートと野地板へ延焼した事例が掲載されています(資料には設置形態の記載はありません)。設置形態は延焼の起きやすさを分ける要因の一つであって、点検や施工の確認を不要にするものではありません。

パネルやケーブルからは、なぜ火が出るのか

報告書は、出火の原因を次のように整理しています。

  • パネル(5件):いずれも使用年数7年以上の製品で発生。配線接続部の高抵抗化(経年劣化や製造時のはんだ強度不足などによる)→ 安全回路であるバイパス回路の常時通電 → 断線 → 配線接続部の断線・異常発熱、という段階的なプロセスが想定され、使用中の製品の現地調査で各段階の不具合パネルが確認されました。この不具合は複数の製造業者の製品で確認されたとされています。
  • ケーブル(10件):6件は施工不良(ケーブルの挟み込み、電気設備技術基準に照らして不適切な中間接続・延長接続)が原因と推定。ほかにコネクタの緩みによる発熱が2件、小動物がケーブルをかじったことによる短絡が1件。

(パネルとケーブルの両方に分類されている事例が2件あるため、5件+10件で13件を超えます)

ここから分かるのは、出火の原因には「製品の経年劣化」と「施工の質」の両方があるということです。設置形態が延焼を分け、施工と経年が出火を分ける——このように分けて読むと、確認する相手と項目がはっきりします。

自宅の太陽光はどのタイプ?何を確認すればいい?

自分の家の状況によって、先に確認したいことが変わります。

先に確認したい状況日常の確認を続ければよい状況
屋根材と一体になったパネルで、パネルの下に鋼板等があるかどうか分からないパネルの下に瓦・スレート・金属屋根が見える屋根置き型で、定期点検を受けている
設置から10年以上たち、パワコンを一度も交換していないパワコンを交換済みで、交換時に設置場所と機能の説明を受けている
パワコンが屋内の浴室・洗面所の近くや、雨水・ほこりが入りやすい屋外の場所にあるパワコンの取扱説明書の設置条件を満たした場所にある
発電量が前年同月より下がっているが、理由が分からない発電量を毎月見ていて、前年同月と比べて大きな変化がない
設置後、一度も点検を受けていない設置1年目・その後4年ごとを目安に点検を受けている

※右の列も「火災の心配がない」という意味ではありません。左の列に当てはまるものがあれば、先に確認する、という順番の表です。

設置形態は、書類と型番で確かめる

屋根置き型かどうかは、地上から見てパネルの下に屋根材(瓦・スレート・金属屋根)が見えるかで見当がつくことがあります。見えなければ屋根材一体型の可能性がありますが、一体型の中で鋼板等が敷かれているか・パネル裏に付いているか・ないかは、外からは分かりません。

確認の手順は次のとおりです。

  1. 設置時の書類を探す:見積書・契約書・保証書・取扱説明書・工事完了報告書。パネルの製造業者名と型番が書かれています。
  2. 設置した販売店・住宅会社、または製造業者に問い合わせる:「消費者安全調査委員会の報告書でいう4つの設置形態のどれに当たるか」と聞けば、質問の意味が通じます。消費者庁も、設置形態が分からない場合は製造業者や住宅・建築業者に問い合わせるよう案内しています。
  3. 鋼板等なし型だった場合:経済産業省は、日本電機工業会がまとめた「住宅用太陽光発電モジュールの火災事故発生リスクアセスメント」(2019年12月)を公表しています。製造業者ごと・型番グループごとに10年間の火災事故発生リスクを評価したもので、「リスクが存在する(対応が求められるリスクレベル)」とされたのは特定の製造業者の特定の型番グループのみ、その他は「リスクは十分小さい」と評価されています。自宅のパネルの型番がどのグループに当たるかを資料と照らし、製造業者に対応を確認してください。

報告書は、鋼板等なし型で導入時の保証期限を過ぎた製品の所有者に対して、製造業者に応急点検(バイパス回路が常時通電していないか、断線していないかの確認)を依頼することを再発防止策として挙げています。屋根に上がって自分で確かめることはしないでください。

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パワコン・接続箱は何を確認すればいい?

件数が最も多いパワコンについては、消費者安全調査委員会の報告書が、パワコン・接続箱から発生した火災事故等の推定原因を3つに整理しています。

  1. 機器の仕様に合わない場所への設置で筐体の中に水分などが入り、回路の絶縁不良やトラッキングが起きた
  2. 入力端子部などの接触不良による発熱
  3. コンデンサの絶縁破壊による破裂やスパーク

1について報告書は、パワコンの取扱説明書が浴室近くへの設置を禁じていても、実態としては守られていない場合があったと記しています。NITE の資料にも、台風の影響による雨漏りで屋内用パワコンの中に雨水が入り、基板が焼損したと推定される事例(2017年10月)が載っています。

所有者が確認できるのは次の点です。

  • パワコンの設置場所:屋内なら浴室・脱衣所・洗面所の近くではないか。屋外なら雨・砂ぼこり・虫が入りやすい状態になっていないか(NITE)。取扱説明書の設置条件と見比べます
  • 外観・異音・異臭:可能な範囲で、変色・焦げ跡・異音・焦げたにおいがないか(NITE)
  • 地絡検知機能があるか:報告書は、地絡(電気が本来の回路から外れて大地へ流れること)を検知する機能がない製品では、2点地絡による火災に至るリスクがあるとしています。その後の経済産業省の報告(2020年1月)では、当時製造・販売されているパワコンは全メーカーとも地絡検知機能付きで、過去に機能のない型(高周波絶縁型)を販売していたメーカーも機能付きの製品をそろえ、更新時に置き換えを進めるとされています
  • 使用年数:NITE は、パワコンの寿命は10〜15年と言われている(太陽光発電協会)として、パネルと同じ期間パワコンを使い続けると基板や電子部品の劣化から事故の発生率も高くなるとして、交換時期に注意を促しています(→パワコンの交換費用と時期)

火災の前兆に、所有者が気づける方法はある?

前兆に気づける場合はあります。NITE は、発電モニターの発電量を前年同月と比べることで事故の前触れを察知できる場合がある、としています。台風などでパネルに飛来物が当たったあとに発電量が大きく変わった場合も、異常の可能性があるとして販売店・工務店・メーカーへの相談を勧めています。

消費者安全調査委員会の報告書に記録された13件の事例にも、出火前後の状況が書かれています。

  • パチパチという音と異臭があった(事例1・事例7)
  • 太陽光の発電モニターの電源が入っておらず、ブレーカーも落ちていた(事例2)
  • 発電量の低下で点検を依頼したところ、パネルのガラスの破損が見つかり、交換時にパネルの焦げが見つかった(事例3)

これらは事例に記録されていた状況であって、「この症状があれば火災になる」「この症状がなければ安全」という判定基準ではありません。ただ、発電量の変化・音・におい・ブレーカーは、屋根に上がらずに所有者が気づける手がかりです。気づいたら、設置した販売店・住宅会社か製造業者に連絡してください。

遠隔監視サービスがあっても、「誰が見て、誰に連絡するか」を確認する
NITE が掲載した2022年4月の事例では、発電状況を遠隔監視するサービスが付いていて約4年前から異常の兆候が見られたのに、施工店がマニュアルに定めた保守点検をしていなかったとされています。遠隔監視は、異常を見る人と連絡する仕組みがあって初めて機能します。契約中のサービスで、異常時に誰から誰へ連絡が来るのかを確認してください。

定期点検の目安と、点検で分かること・分からないこと

定期点検の目安は、設置後1年目、その後は住宅用では4年に1度です(NITE が太陽光発電協会の推奨として紹介)。点検項目は設置後の年数や使用・故障状況によって変わるため、販売店・工務店・メーカーに相談するよう NITE は案内しています(点検の費用と内容は→太陽光のメンテナンス費用)。

また、売電をしている場合、所有者は事業者として点検等の義務も負います。消費者庁は、この点を消費者に改めて周知しています。

定期点検・遠隔監視で確認しやすいこと定期点検・遠隔監視だけでは確定しにくいこと
発電量の推移の変化(前年同月との比較)屋根材一体型のパネル下に鋼板等があるか(書類・製造業者への確認が要る)
パワコン・接続箱の外観、端子の緩みや焦げ型番がリスクアセスメントでどの評価か(公表資料との照合が要る)
配線の被覆の傷み、架台へのケーブルの挟み込み点検日以降に起きる新たな破損(台風後などに改めて確認が要る)
パワコンの使用年数と交換の目安点検を依頼した側が結果を受け取って対応するか(報告書を受け取る)

(編集部で整理)

火が出たら、どうすればいい?

まず 119番通報と避難です。そのうえで、次の点を知っておいてください。

  • 屋根に上がって消そうとしない:報告書の事例には、居住者がはしごで屋根に上がり水道ホースで消火したケースがあります。太陽光パネルは光が当たる限り発電し、外部から発電を止められないため、破損した設備やケーブルに触れると感電のおそれがあります。NITE も、損壊した発電設備にはむやみに近づかないよう注意を促しています。
  • 消防は、感電を前提にした方法で消火活動をする:消防庁が各都道府県に示した消防活動上の留意点(2013年3月の事務連絡)は、棒状の放水は水を伝って感電する可能性があるため、噴霧状などに放水の距離や筒先を調節すること、夜間でも炎の光で発電が続くことなどを挙げています。消防研究センターの資料(2014年)も、パネルへの放水は基本的に噴霧注水とし、棒状で放水する場合は十分な距離をとるなど、電気火災と同様の対策が必要としています。「太陽光があると消火してもらえない」ということではありません。
  • 通報時に「屋根に太陽光パネルがある」と伝える:消防の資料が感電対策を前提にしていることから、編集部としては、通報時や到着した消防隊に設備があることを伝えることを勧めます(法令や消防の指示ではなく、編集部の推奨です)。

火災後の補償(建物の火災保険で太陽光設備が対象になるか)は、契約内容によって扱いが異なります。保険会社への連絡の順番や確認する書類は、→太陽光パネルが壊れたときの初動と補償で整理しています。

設例で見る「確認の順番」の違い

※以下は、よくある相談内容をもとに説明のために作成した架空の設例です。会話部分を含め、実在の人物・住宅・業者・製品・契約事例ではありません。年数や設置状況は説明のための仮定値です。

設例1:屋根置き型で設置15年、屋内のパワコンが洗面所の隣にある、と仮定した場合
パネルの下にスレート屋根が見える屋根置き型で、設置から15年。パワコンは一度も交換しておらず、屋内の洗面所に面した壁に取り付けられているとします。ここ数か月の発電量は、前年同月より少し下がっています。
この家で先に確認するのは、パネルの設置形態よりもパワコンです。取扱説明書で設置条件(浴室・洗面所の近くを避ける記載があるか)を確認し、パワコンが10〜15年という交換の目安の範囲に入っていること、地絡検知機能があるかを販売店に問い合わせます。発電量の低下はパネル・ケーブル・パワコンのどこに原因があるか所有者には分からないため、前年同月との比較を記録して点検を依頼します。交換する場合は、新しいパワコンの設置場所も同じ打ち合わせで相談できます。

設例2:新築時に屋根と一体のパネルを載せた住宅を、中古で購入したと仮定した場合
築年数のたった住宅を購入し、屋根にはパネルが屋根材の代わりに並んでいます。前の所有者から渡された書類には、パネルの製造業者名と型番が書かれた保証書が残っているとします。
この家で先に確認するのは設置形態です。屋根材一体型であることは外から分かっても、パネルの下に鋼板等があるかは分かりません。書類の型番を手がかりに、建てた住宅会社か製造業者に「鋼板等敷設型・鋼板等付帯型・鋼板等なし型のどれか」を問い合わせます。鋼板等なし型で導入時の保証期限を過ぎていれば、報告書が挙げる応急点検を製造業者に依頼し、公表されているリスクアセスメント資料の型番一覧とも照らします。中古で購入した場合は、FIT の名義変更の手続きも別に必要です(→太陽光付き住宅の売却・相続の手続き)。

2つの設例は、どちらも「火災の危険がある家」という意味ではありません。家の状況によって、最初に確認する場所と相手が違うことを示しています。

これから設置する人は、見積もり段階で何を確認する?

これから設置する場合は、火災リスクに関わる項目を契約前に書面で確認できます。

確認項目確認する内容根拠になる公表資料
① 設置形態屋根置き型か、屋根材一体型か。一体型なら鋼板等の不燃材料がパネル直下に敷かれるか消費者安全調査委員会 報告書
② ケーブルの固定方法架台への挟み込みを防ぐ固定方法か。防水シートの上にケーブルを直接這わせない施工か同報告書(施工不良の分析)、NITE 事例
③ パワコンの設置場所屋内なら浴室・洗面所などから離れているか。屋外なら雨・ほこり・虫の入りにくい場所か。取扱説明書の設置条件を満たすか同報告書、NITE
④ 地絡検知機能パワコンに地絡検知機能があるか同報告書、フォローアップ資料
⑤ 点検計画と遠隔監視設置1年目・その後4年ごとの点検を誰がするか。遠隔監視があるなら異常時に誰から誰へ連絡が来るかNITE

報告書の公表後、製造業者は、鋼板等なし型のパネルについて施工マニュアルや仕様書に鋼板等の設置方法などを明記したと報告しており、調査委員会は2022年4月のフォローアップでこれを「取組み確認済み」と評価しています。とはいえ、自分の家にどの施工がされるかは、見積書と施工説明で確かめるほかありません。

施工店によって説明の詳しさは違います。どこで買うかで施工体制がどう変わるかは→太陽光はどこで買う?、費用の目安は→設置費用の相場で整理しています。

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よくある質問

Q. 太陽光パネルは火事の原因になりますか?
A. なることがあります。NITE が受け付けた製品事故情報では、2015〜2024年度の10年間に太陽電池発電設備の事故が260件あり、そのうち239件が火災でした。設備別ではパワーコンディショナが170件で、太陽光パネルは41件、接続ケーブルは18件です。パネルだけでなく、パワコン・接続箱・ケーブルも点検の対象です。

Q. 屋根一体型の太陽光は火災のときに危ないのですか?
A. 屋根材一体型にも、パネル直下に鋼板等の不燃材料を敷く「鋼板等敷設型」、裏面に鋼板等が付いた「鋼板等付帯型」、鋼板がない「鋼板等なし型」があります。消費者安全調査委員会の調査で野地板まで燃え広がった7件は、すべて鋼板等なし型でした。一体型かどうかではなく、どの設置形態かを型番と書類で確認してください。

Q. 自宅の太陽光の設置形態はどうすれば分かりますか?
A. 地上から見てパネルの下に瓦やスレートが見えれば屋根置き型の可能性があります。屋根材一体型の場合、パネルの下に鋼板等があるかは外から分からないため、保証書や取扱説明書でパネルの製造業者と型番を確認し、設置した販売店・住宅会社か製造業者に問い合わせてください。屋根には上がらないでください。

Q. 太陽光パネルがあると、火事のときに消防は放水できないのですか?
A. 放水できないわけではありません。消防庁の資料は、太陽光パネルが光の当たる限り発電を続けることを前提に、棒状の放水では水を伝って感電する可能性があるため、噴霧状にするなど放水の距離や筒先を調節することを消防活動上の留意点として示しています。住人は屋根に上がって消そうとせず、119番通報と避難を優先してください。

Q. 太陽光の火災を防ぐために、所有者が日常でできることはありますか?
A. 発電モニターの発電量を前年同月と比べること、パワコンや接続箱の外観・異音・異臭を確認すること、屋外のパワコンの周りに雨水やほこりが入りやすい状態がないか見ることです(NITE)。定期点検の目安は設置1年目、その後は住宅用で4年に1度とされています。異常に気づいたら、屋根に上がらず販売店やメーカーに相談してください。

Q. 鋼板等なし型だった場合、どうすればよいですか?
A. 消費者安全調査委員会の報告書は、鋼板等なし型で導入時の保証期限を過ぎた製品の所有者が、製造業者に応急点検(バイパス回路の常時通電や断線がないかの確認)を依頼することを挙げています。また経済産業省が公表したリスクアセスメント資料で、自宅の型番がどの評価のグループに当たるかを照らし、製造業者に対応を確認してください。

まとめ

  • 太陽光の火災は起きています。NITE が受け付けた事故は2015〜2024年度で260件(うち火災239件)、設備別ではパワコンが170件と最も多く、パネル41件、ケーブル18件と続きます。
  • 火災リスクは出火(どこから火が出るか)と延焼(屋根の下地まで燃え広がるか)を分けて考えます。延焼して被害が大きくなった7件はすべて鋼板等なし型(消費者安全調査委員会)。ただし設置形態だけで安全が決まるわけではありません。
  • 屋根材一体型=危ない、ではありません。一体型にも鋼板等の有無で3種類があり、外からは分かりません。型番と書類で、販売店・住宅会社・製造業者に確認します。
  • 所有者ができるのは、発電量の前年同月比較・パワコン周りの外観と設置環境の確認・定期点検(1年目、その後4年ごと)。遠隔監視は、異常時の連絡の流れまで確認します。
  • 火が出たら119番通報と避難。屋根に上がって消そうとしないでください。消防は感電を前提にした放水方法で活動します。
  • 設置済みの人の確認に見積もり依頼は不要です。これから設置する人は、設置形態・ケーブルの固定・パワコンの設置場所・地絡検知機能・点検計画を書面で確認できます。

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監修者プロフィール

現役の太陽光発電コーディネーター 住宅用太陽光発電システムの設計・申請・施工管理に携わる実務者。本サイトでは、販売現場で使われる説明と、公表されている制度・調査資料との差を埋めることを目的に記事を監修しています。 本記事は、消費者庁 消費者安全調査委員会、製品評価技術基盤機構(NITE)、経済産業省、消防庁が公表している資料に基づいて構成しています。火災の起きやすさは、製品・施工・設置環境・使用年数によって異なります。個別の設備の安全性や、特定の商品・事業者の適合性、最安値であることを保証するものではありません。

参考

  • 消費者安全調査委員会「消費者安全法第23条第1項の規定に基づく事故等原因調査報告書 住宅用太陽光発電システムから発生した火災事故等」(平成31年1月28日)https://www.caa.go.jp/policies/council/csic/report/report_012/pdf/report_012_190128_0002.pdf
  • 同「事故等原因調査報告書【概要】—住宅用太陽光発電システムから発生した火災事故等—」https://www.caa.go.jp/policies/council/csic/report/report_012/pdf/report_012_190128_0001.pdf
  • 消費者庁「住宅用太陽光発電システムに起因した住宅の火災事故に注意!—太陽電池モジュールの設置形態等によって火災リスクが異なります!—」(平成31年1月28日)https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/release/2018/pdf/consumer_safety_release_190128_0001.pdf
  • 消費者安全調査委員会「『住宅用太陽光発電システムから発生した火災事故等』に関するフォローアップ資料」(第2回フォローアップ評価 令和4年4月)https://www.caa.go.jp/policies/council/csic/report/report_012/assets/csic_cms101_220519_07.pdf
  • 経済産業省「住宅用太陽光発電モジュールの火災事故発生リスクアセスメントについて」(最終更新 2019年12月26日)https://www.meti.go.jp/product_safety/producer/point/jutakuyo_pv_riskassessment.html — 資料本体:一般社団法人日本電機工業会「住宅用太陽光発電モジュールの火災事故発生リスクアセスメント」(2019年12月06日)
  • 独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)「住宅用の太陽電池発電設備の事故に注意 ~事故を発生させないための対策、事故発生後の対応、ともに大事です~」(2025年8月29日)https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/press/2025fy/prs250829.html
  • 消防庁消防・救急課・消防庁消防研究センター 事務連絡「太陽光発電システムを設置した一般住宅の火災における消防活動上の留意点等について」(平成25年3月26日)https://www.fdma.go.jp/laws/tutatsu/assets/250326_jimurenraku.pdf
  • 消防庁消防研究センター「消防研究技術資料第83号 太陽光発電システム火災と消防活動における安全対策」(平成26年3月)https://nrifd.fdma.go.jp/publication/gijutsushiryo/gijutsushiryo_81_120/files/shiryo_no83.pdf

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現役の太陽光発電コーディネーターが監修。中立の立場で、後悔しない太陽光・蓄電池選びを正直にお届けします。

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