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最終更新:2026年10月20日|執筆:太陽光の本音 編集部|監修:現役の太陽光発電コーディネーター(記事末プロフィール)
🔍 この記事の結論(先にお伝えします)
- 積水化学は指定された事業への供給に向けた協議を、カネカは2028年度の製品販売の計画を公表。個人の住宅で買う条件(窓口・価格・保証)は、両社の発表からは分かりません。
- 国の工程表は、導入初期の価格水準を既存シリコンより高価格と想定。「20〜14円/kWh」は発電コストの目標で、住宅の見積もりの金額ではありません。
- 待つかどうかは、今の見積もり・今つけた場合の効果(費用を引く前)・屋根工事の時期を並べて決めます。
- 屋根の傷みは先に確認します。軽い製品でも、固定方法・風・防水の確認は必要です。
「薄くて軽い、次世代の太陽電池が出るらしい」「今つけたら、すぐ古くなるのでは」——太陽光の設置を考えるとき、ペロブスカイト太陽電池のニュースを見て、決めるのを先に延ばしたくなる人もいるはずです。
ただ、「待つべきか」は、発売時期の予想だけでは決められません。家庭の屋根で買えるようになる条件と、待っている間に何が変わり、何が変わらないかを分けて考える必要があります。
この記事は、発売の年を予想する記事ではありません。メーカーの公式発表と、経済産業省・NEDO の公表資料をもとに、2026年10月時点で分かっていることと分からないことを整理し、待つかどうかを自分の数字で比べる方法をまとめます。
ペロブスカイト太陽電池とは?種類ごとの違いは?
この記事では、比較の対象となる従来型の太陽光パネルを、結晶シリコン太陽電池として扱います。ペロブスカイト太陽電池は、ペロブスカイトと呼ばれる結晶構造をもつ材料で発電する、別の種類の太陽電池です。
「軽くて曲がる」と紹介されることがありますが、それは主にフィルム型の特徴です。経済産業省の「次世代型太陽電池戦略」は、国内で開発が進む形として、次の3つを挙げています。
| 種類 | 戦略での説明(要約) | 国内の主な動き(公式発表) |
|---|---|---|
| フィルム型 | 軽量で柔軟。建物の壁面など、これまで設置が難しかった場所にも導入できる可能性。発電コストを下げるには、耐久性の向上に係る技術開発が引き続き必要 | 積水化学工業:金属屋根向けの製品で事業開始を決定し、供給に向けた協議を開始(2026年3月) |
| ガラス型 | 建材の一部として、高層ビルや住宅の窓ガラスの代わりに設置することが期待される。フィルム型と比べて耐水性が高く、耐久性を確保しやすい | 戦略の時点(2024年11月)で開発が進められている段階 |
| タンデム型 | シリコン太陽電池の置き換えが期待される。戦略の時点では、開発の進み具合はフィルム型・ガラス型に劣り、研究開発の段階 | カネカ:2028年度に製品販売を開始する計画(2026年2月発表) |
出典:経済産業省「次世代型太陽電池戦略」(2024年11月28日公表)p12〜13、各社の公式発表(記事末の「参考」)。2026年10月20日確認。
タンデム型は、カネカの説明では、同社の結晶シリコン太陽電池にペロブスカイト太陽電池を重ね、それぞれが異なる波長の光を吸収する仕組みです。軽さではなく、変換効率を高めることを狙う方式です。
2026年10月時点で、個人の住宅用として注文できる?
本記事が2026年10月20日に確認した積水化学・カネカの公式発表には、個人が自宅用として注文するための販売窓口・価格・保証・施工体制をそろえた案内は見当たりませんでした。主な発表は次のとおりです。
| 企業(発表日) | 発表の内容 | 提供先・対象として書かれていること |
|---|---|---|
| 積水化学工業・積水ソーラーフィルム(2026年3月27日) | フィルム型「SOLAFIL」の事業開始を決定し、供給に向けた具体的な協議を開始。金属屋根を設置対象とする製品。2026年度は現有設備による限定的な生産量、2027年度に100MW規模の生産ラインを立ち上げる計画 | 環境省の2025年度「ペロブスカイト太陽電池の社会実装モデルの創出に向けた導入支援事業」で採択された自治体・事業者(さいたま市・滋賀県・西日本高速道路・福岡県・福岡市)と、東京都の都有施設への先行導入事業 |
| 積水化学工業ほか(2026年9月14日) | 鹿児島県の銀行支店の屋根で、新しい仕様(シート仕様)の実証を約3年間 | 実証(台風・塩害の影響と施工方法の検証) |
| カネカ(2026年2月6日) | タンデム型で、屋根・壁などの住宅(ZEH)・ビル(ZEB)向けの実証試験を行い、2028年度に製品販売を開始する計画 | 販売先・価格・販売窓口はリリースに書かれていない(資料には「住宅用瓦一体型モジュール」の画像あり) |
出典:各社の公式発表(記事末の「参考」)。2026年10月20日確認。
積水化学は事業開始を決定し、発表に挙げた自治体・事業者などへの供給に向けた協議を始めた段階、カネカは住宅も対象に含む実証を行い、2028年度の製品販売を計画している段階です。個人の住宅で買えるかどうかは、メーカーの商品ページで価格・保証年数・対象となる屋根・販売窓口が公表されてから判断できます。
国の「20GW」「20〜14円/kWh」は何を示している?
経済産業省の官民協議会は、2024年11月の「次世代型太陽電池戦略」を元に、2026年5月の会合で最新の情報を加えた見通しを示しています。
| 時期 | 生産体制 | 価格水準・発電コストの記載 | 導入の見込み |
|---|---|---|---|
| 短期(2025年〜) | 〜数百MW/年 | 価格水準:既存シリコン太陽電池より高価格となることが想定 | 国内市場から立ち上げる |
| 中期(2030年〜) | 約1GW/年〜数GW/年 | 発電コスト:20円/kWh〜14円/kWh(フィルム型)、12円/kWh以下(タンデム型) | 国内市場に広く展開 |
| 長期(2040年〜) | 数GW/年〜 | 発電コスト:自立化水準 10円/kWh〜14円/kWh以下 | 国内20GW程度 |
出典:経済産業省 第10回 次世代型太陽電池の導入拡大及び産業競争力強化に向けた官民協議会(2026年5月20日)資料1 事務局説明資料 p4「国内外における進め方(イメージ)」。2026年10月20日確認。
この表を読むときは、次の2点に気をつけてください。
- 「円/kWh」は発電コスト(発電した電気1kWhあたりのコスト)の見通しです。パネル1枚の値段、住宅1軒の設置費用、売電の価格、家庭が買う電気の単価のどれとも別のものです。短期の「高価格」も価格水準の想定で、住宅1軒の見積もりの金額を示したものではありません。
- 「20GW」は国内全体の導入の目標です。戦略は、導入の初期の需要として、自治体を含めた公共部門や、環境価値を高く評価する企業を見込んでいます(戦略 p32)。住宅向けの発売の年や価格を示す数字ではありません。
待つと、何が変わり、何が変わらない?
ペロブスカイトの登場を待つあいだにも、太陽光を取り巻く条件は動きます。変わるものと、変わらないものを分けて見る必要があります。
| 項目 | 2026年10月時点で分かっていること |
|---|---|
| 売電の価格(FIT) | 住宅用(10kW未満)の2026年度は、当初4年が24円/kWh、5〜10年目が8.3円/kWh(初期投資支援スキーム)。資源エネルギー庁の価格表(2026年4月時点の反映)には、住宅用の2027年度の価格はまだ載っていません |
| 買う電気の単価 | 当サイトの試算では31円/kWhを目安にしていますが、契約の電力会社・プランで違い、将来の値動きは決まっていません |
| ペロブスカイトの家庭用製品 | 本記事が確認した両社の発表で分かるのは「2028年度に製品販売を開始する計画」まで。個人向けの価格・保証・販売窓口は確認できない |
| 屋根の状態 | 待っているあいだも、屋根は年数を重ねます。太陽光を載せるなら、屋根の残りの寿命と合わせて考える必要があります |
売電価格の仕組みは→卒FIT後の売電はどこがおすすめ?、申請から売電開始までの流れは→太陽光は契約から売電開始まで何か月?で整理しています。
屋根の傷み・重さが気になるときは?
屋根を理由に迷っている場合は、理由を3つに分けて考えます。
- 屋根の傷み・防水・残りの寿命:どの種類の太陽電池を載せるかより先に確かめることです。太陽光を載せたあとで屋根を直すと、パネルを外して戻す費用がかかります(→屋根の本音太陽光パネルが載った屋根はリフォームできる?)
- 屋根の強度や形の制約で、従来型のパネルを載せられないと言われた:軽く柔軟な製品が、将来の選択肢になりうるところです
- ただし、軽い製品でも、固定方法・風や雪の荷重・燃えにくさ・雨仕舞いの確認がいらなくなるわけではありません
NEDO は2026年3月、ペロブスカイト太陽電池などの「フレキシブル太陽電池を利用した太陽光発電システムの設計・施工ガイドライン」を公開しました。ガイドラインは公開済みですが、風荷重や雪荷重に関する構造の安全性や、燃焼試験・破壊試験を通じた電気の安全性などを今後も評価し、順次改訂する予定とされています。個別の住宅では、採用する製品の設計・施工の仕様を確認する必要があります。
待つ理由がはっきりしている人/今の従来型を比べてよい人
| 待つ理由がはっきりしている人 | 今の従来型の見積もりで比べてよい人 |
|---|---|
| 屋根の強度や形を理由に、従来型のパネルは載せられないと言われた | 従来型のパネルを載せられる屋根で、今の電気代を下げたい |
| 屋根の葺き替えや改修を近いうちに予定している | 屋根の点検を済ませ、残りの寿命がパネルの使用期間と合う |
| 設置費用を、今は支払いたくない・借りたくない | 自治体の補助金の締切や、今年度の売電価格の条件を確かめながら検討している |
(編集部で整理)
右の列に当てはまる人も、すぐに設置を決める必要はありません。まず、今の屋根に従来型を載せた場合の数字を、比べるための基準として手元にそろえます。
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今つけた場合の効果は、どう計算する?(費用を引く前の参考額)
今つける案を選んだ場合に、比べる期間のあいだに得られる効果を、ここでは「今つけた場合の効果(費用を引く前)」と呼びます。これは初期費用・利息・維持費・劣化を差し引く前の金額で、利益でも「待つことの損失」でもありません。
各年の効果(費用を引く前)= 自家消費量(kWh)× その年に買わずに済む電気の単価(円/kWh)+ 売電量(kWh)× その設備に適用される売電単価(円/kWh)
比べる期間の効果(費用を引く前)= 各年の効果の合計
年間の発電量と自家消費の量は、見積もりと一緒に出てくる発電シミュレーションで確認できます。シミュレーションの数字が盛られていないかの見方は→太陽光の発電シミュレーションは当てにならない?
計算例(仮定の数字です):2026年度に4kWを設置し、1kWあたり年間約1,000kWh発電(年4,000kWh)、そのうち30%を家で使い、残りを売電すると仮定した場合
- 自家消費:1,200kWh × 31円 = 37,200円
- 売電(当初4年):2,800kWh × 24円 = 67,200円
- 1〜4年目は年104,400円、5〜10年目は売電単価が8.3円になり(2,800kWh × 8.3円 = 23,240円)年60,440円。10年間では780,240円です
いずれも初期費用などを引く前の金額で、発電量・自家消費の割合・電気の単価を10年間一定とした仮定です。
この例の売電単価は、2026年度に設置した場合のものです。待ってから設置する場合の売電価格は、2026年10月時点で決まっていないため、24円・8.3円を当てはめることはできません。
一方、今つける案では、設置費用を先に払います。当サイトの目安の1kWあたり約25〜30万円なら、4kWで約100〜120万円です(→太陽光発電の設置費用はいくら?)。ローンなら利息もかかり、パワコンの交換や点検などの維持費も別にかかります。
最終的には、同じ終了年までで、2つの案を同じ費目で並べて比べます。
| 費目 | 今設置する案 | N年待って設置する案 |
|---|---|---|
| 設置費用(ローンなら利息) | 今の見積もりで分かる | 待った先の製品・価格で決まる(未公表) |
| 自家消費・売電の効果 | 発電シミュレーションと今年度の売電価格で試算できる | 待った先の売電価格・製品の性能で決まる(未公表) |
| 維持費・屋根工事のときの脱着費 | 屋根の残りの寿命と合わせて見積もれる | 屋根工事と時期を合わせれば、脱着を避けられることがある |
(編集部で整理)
右の列は、2026年10月時点では正確に計算できません。計算できないこと自体が、判断の材料の一つです。今の案の数字をそろえたうえで、「待つ年数」「その間に今つけた場合の効果(費用を引く前)」「待つ間に払わずに済むお金」「屋根工事の予定」を並べ、自分の家にとってどちらが納得できるかを決めます。
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今つけて、あとでペロブスカイトに載せ替えればいい?
将来、今のシステムを撤去して別のシステムを新しく付けることは検討できますが、ペロブスカイトに変えられるかは、将来の製品の仕様と屋根の条件が分からない今の時点では判断できません。撤去と処分をすれば、その費用もかかります。当サイトで整理した目安では、取り外しが1kWあたり5,000〜15,000円、処分が1枚1,500〜5,000円です(→太陽光発電の撤去・処分費用はいくら?)。
本記事が確認した両社の発表では、個人の住宅向けの価格・保証・対象となる屋根をそろえた案内は確認できませんでした。「あとで載せ替えればいい」を前提にした計画は、今の時点では立てられません。今つけるなら、今のパネルを寿命(当サイトでは20〜30年を目安にしています)まで使う前提で考えます。保証の見方は→太陽光発電の保証はどこを見る?
「ペロブスカイト」を名乗る提案を受けたら
訪問や電話で、ペロブスカイトを使った製品の提案を受けたときは、次の4つを書面で確認してください。
- 製品名・製造業者名・型式
- その製品が住宅の屋根向けに販売されていることが分かる、製造業者の公式発表やカタログ
- 保証書(出力保証・製品保証の年数と条件)
- 見積書に、製品の型式・枚数・容量(kW)が書かれているか
ここで答えられない提案は、その場で契約しないでください。訪問販売に当たる場合は、法律で決められた書面を受け取った日を含めて8日以内であれば、書面または電磁的方法(メールなど)でクーリング・オフができます。書面に不備がある場合などは8日を過ぎても可能なことがあるため、消費者ホットライン「188」(相談料は無料、通話料は自己負担)に相談してください→太陽光の契約をやめたい|クーリング・オフ8日の数え方/太陽光の訪問販売が「怪しい」と言われる理由
判断が分かれる設例
※以下は、判断の手順を説明するために作成した架空の設例です。会話部分を含め、実在の人物・住宅・業者・契約事例ではありません。金額や築年数は説明のための仮定値です。
設例1:今つけた場合の効果の数字だけを見て、屋根を確かめずに設置を急いだと仮定した場合
築18年のスレート屋根の住宅で、施主が「今つけた場合の効果」の数字を見て、待つより今つけたほうがよいと考え、従来型を設置したとします。屋根の残りの寿命は確認していませんでした。
数年後、屋根の改修が必要になり、パネルを一度外して戻す工事が別にかかりました。分かれ目は、ペロブスカイトを待つかどうかより先に、屋根工事と太陽光の順番を確かめたかどうかでした。
設例2:屋根の葺き替えまで待ち、その時点で買える製品を比べたと仮定した場合
1年半後に金属屋根への葺き替えを予定している住宅だったとします。施主は、今の屋根で従来型を載せた見積もりを、見積日と前提条件の記録として保存し、毎月の電気の使用量も記録しておきました。
葺き替えの時期になってから、あらためてその時点の見積もりを取り直し、実際に購入できる製品の価格・保証・固定方法を比べ、従来型にするか次世代型にするかを選ぶことにしました。特定の製品の発売を当てにして待つのではなく、屋根工事と太陽光の時期を合わせたことに納得しています。
2つの設例は、どちらが正解という話ではありません。待つ理由が何かを言葉にし、屋根の予定と自分の見積もりの数字を並べてから決めることが共通しています。
待つ案・今設置する案の長所と注意点
| 案 | 長所 | 注意点 |
|---|---|---|
| 待つ | 設置費用を今は支払わずに済む(ローンなら利息も発生しない)。屋根工事と時期を合わせられる。製品の価格・保証が公表されてから比べられる | 待つ間は自家消費と売電の効果が得られない。確認した両社の発表では、個人向けの時期・価格・保証は分からない。導入初期の価格水準は既存シリコンより高価格の想定。確認した価格表に、住宅用の2027年度の売電価格は載っていない |
| 今設置する | 今年度の売電価格と、今の見積もりで試算できる。比べる期間の効果(費用を引く前)が得られる | 設置費用を先に払う。屋根の残りの寿命と合わないと、屋根工事のときに脱着費がかかる。載せ替えには撤去・処分費がかかる |
(編集部で整理)
よくある質問
Q. ペロブスカイト太陽電池は、家庭用でいつ買えますか?
A. 本記事が2026年10月20日に確認した積水化学・カネカの公式発表には、個人が自宅用に注文するための販売窓口・価格・保証をそろえた案内は見当たりませんでした。積水化学は2026年3月に事業開始を決定し、発表に挙げた自治体・事業者などへの供給に向けた協議を始めています。カネカは住宅・ビル向けの実証を行い、2028年度に製品販売を開始する計画を発表していますが、販売先や価格は書かれていません。
Q. ペロブスカイト太陽電池は、今の太陽光パネルより安いですか?
A. 経済産業省の官民協議会の工程表は、導入の初期(2025年〜)の価格水準を、既存のシリコン太陽電池より高価格となると想定しています。2030年〜の発電コストはフィルム型で20円/kWh〜14円/kWh、タンデム型で12円/kWh以下、2040年〜は自立化水準として10円/kWh〜14円/kWh以下を見通しています。円/kWh は発電コストで、パネルの値段や住宅1軒の見積もりの金額ではありません。
Q. ペロブスカイト太陽電池の寿命は?
A. 国の戦略は、フィルム型について、発電コストを下げるには耐久性の向上に係る技術開発が引き続き必要としています。本記事が確認した積水化学・カネカの発表では、個人向け製品の保証年数は確認できませんでした。今の結晶シリコンのパネルの寿命は、当サイトでは20〜30年を目安にしています。
Q. 今つけた太陽光を、あとでペロブスカイトに替えられますか?
A. 将来、今のシステムを撤去して別のシステムを新しく付けることは検討できますが、ペロブスカイトに変えられるかは、将来の製品の仕様と屋根の条件が分からない今の時点では判断できません。撤去と処分をすれば、その費用もかかります。「あとで載せ替える」ことを前提にした計画は、今の時点では立てられません。
Q. ペロブスカイトに使える補助金はありますか?
A. 積水化学の発表で供給先とされたのは、環境省の導入支援事業で採択された自治体・事業者と、東京都の都有施設の事業です。住宅向けでは、経済産業省の官民協議会がまとめた自治体の取り組みの資料(2026年5月)に、岡山県倉敷市の既存住宅への太陽光の補助の例があります。現時点の補助対象は当面シリコン型を想定し、普及状況を踏まえて令和9年度以降にペロブスカイト太陽電池の追加を検討するとされています。追加は決まっておらず、ほかの地域に共通する制度でもありません。お住まいの自治体の補助制度で、対象となる機器の条件を確認してください。
Q. 待つか今つけるか、何で決めればいいですか?
A. 今の屋根に従来型を載せた見積もりを比べる基準にして、「その間に今つけた場合の効果(費用を引く前)」「待つ間に払わずに済むお金」「屋根工事の予定」を並べてください。待ってから設置する案の価格や売電価格は未公表なので、正確には計算できません。屋根の傷みが理由で迷っている場合は、先に屋根の状態を確認します。
まとめ
- 本記事が確認した積水化学・カネカの公式発表には、個人が自宅用に注文するための販売窓口・価格・保証の案内はありませんでした。積水化学は自治体・事業者などへの供給に向けた協議を始めた段階、カネカは住宅も対象に含む実証を行い「2028年度に製品販売を開始する計画」の段階です。
- 国の工程表は、導入初期の価格水準を既存シリコンより高価格と想定。「20〜14円/kWh」は発電コストで、「20GW」は国内全体の目標です。
- 待つかどうかは、今の見積もり・今つけた場合の効果(費用を引く前)・待つ間に払わずに済むお金・屋根工事の予定を並べて決めます。待った先の価格は計算できないことも材料です。
- 屋根の傷みは先に確認。軽い製品でも、固定方法・風や雪の荷重・防水の確認は残ります。
- 「ペロブスカイト」を名乗る提案は、製品名・型式・公式発表・保証書を書面で確認するまで契約しません。
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希望する機器や設置条件を同じ内容で伝えて、複数社の見積もりを比較できます。見積もり依頼の利用は無料で、しつこい場合は断れます。提示された機器の型式・工事範囲・保証条件を並べて確認してください。
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※一括見積もりサービスは、ペロブスカイト太陽電池の提案や、各社の施工の品質を約束するものではありません。見積もりを取ることは、設置を申し込むことではありません。見積もり依頼の利用は無料で、依頼しただけで費用は発生しません(工事を契約した場合は工事費がかかります)。内容が合わなければ断って構いません。
監修者プロフィール
現役の太陽光発電コーディネーター 住宅用太陽光発電システムの設計・申請・施工管理に携わる実務者。本サイトでは、販売現場で使われる説明と、公表されている制度・調査資料との差を埋めることを目的に記事を監修しています。 本記事は、製造業者の公式発表、経済産業省・官民協議会の公表資料、NEDO・資源エネルギー庁の公表資料に基づいて構成しています。ペロブスカイト太陽電池の発売時期・価格・保証は、各社の今後の発表で確認してください。個別の住宅での設置の可否や収支、特定の商品・事業者の適合性、最安値であることを保証するものではありません。
参考
- 積水化学工業・積水ソーラーフィルム「フィルム型ペロブスカイト太陽電池『SOLAFIL』事業開始のお知らせ」(2026年3月27日)https://www.sekisui.co.jp/news/2026/1450530_42699.html
- 積水化学工業ほか「フィルム型ペロブスカイト太陽電池の新仕様実証実験開始について」(2026年9月14日)https://www.sekisui.co.jp/news/2026/1460941_42699.html
- 株式会社カネカ「NEDO グリーンイノベーション基金事業『次世代型タンデム太陽電池量産技術実証事業』に採択」(2026年2月6日)https://www.kaneka.co.jp/topics/news/2026/e7e74r00000008ux-att/nr2602061.pdf
- 経済産業省・次世代型太陽電池の導入拡大及び産業競争力強化に向けた官民協議会「次世代型太陽電池戦略」(2024年11月28日公表、同年12月12日一部差替え)https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/perovskite_solar_cell/20241128_report.html
- 同 第10回官民協議会(2026年5月20日)資料1 事務局説明資料、資料6 自治体における次世代型太陽電池の導入に関わる支援制度・取組 https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/perovskite_solar_cell/010.html
- NEDO「ペロブスカイト太陽電池をはじめとする『フレキシブル太陽電池を利用した太陽光発電システムの設計・施工ガイドライン』を公開しました」(2026年3月18日)https://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_101922.html
- 資源エネルギー庁「買取価格・期間等(2026年度以降)」https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/kaitori/fit_kakaku.html
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